コラム

SAT/ACTは「任意」から「戦略」へ——テストスコア復権の波にどう備える?

「受験に向けたテストはもう任意でしょ?」と油断していたら、志望校の方針が変わっていた。

この数年、米大学入試では“test-optional(提出任意)”が広がりましたが、近年は再びSAT/ACT提出を求める(または何らかのスコア提出を必須とする)大学が増えています。
たとえばHarvard CollegeはSATまたはACTの提出を要件として明記し、例外的に受験できない場合の代替としてAP/IB等を挙げています。 Brown UniversityもSAT/ACTスコアの提出を求める方針へ戻ったことを説明しています。そしてDartmouth CollegeはSAT/ACT要件を再導入すると公式に表明しました。さらにYale Universityは、SAT/ACTに加えてAP/IBも選べる形で「標準化されたスコアの提出」を求める“test-flexible”を案内しています。

「なぜ戻るのか?」の背景も押さえておきたいところです。大学側は、①学力を比較可能にする“共通の物差し”があると選考の精度が上がる、②特に履修環境に差がある受験生の学力を見落としにくい、という趣旨を語るケースが増えました。たとえばMITは、標準テストが学術的準備の評価に役立ち、他の強みが見えにくい受験生の発掘にもつながるという考えを発信しています。

ここで大切なのは、「提出するか・しないか」を感覚で決めないことです。テストは“合否を左右する魔法の数字”ではありませんが、出願書類全体の中で「学力を比較可能な形で示す」役割を担います。特に日本の高校生・海外在住生は、成績の評価尺度(GPAの算出方法、科目難度、学校のレベル感)が大学側に伝わりにくいケースがあります。だからこそ、テストを“保険”として位置づけるのか、“武器”として伸ばすのか、早期に方針を決めて準備を逆算する必要があります。

■「テスト戦略」で決めるべき5つ
1. 志望校×出願年度のポリシー確認:同じ大学でも年度で変わり得ます。公式ページを一次情報として、一覧表に落とし込みます。
2. 代替スコアの選択肢:Harvardのように例外時にAP/IB等を認める場合もあります。 ただし「例外条件」「提出フォーマット」まで確認が必要です。
3. 目標レンジの設定:目標は満点がベストですが、最低でも提出してプラスになる水準に到達すること。
4. 受験回数の設計:初回は現在地を知る、2回目で伸ばす、3回目は保険と計画すると受験に対する焦りが減ります。
5. 学習配分:テストに寄りすぎると、活動やエッセイの素材が薄くなります。週の学習時間を「テスト:学業:活動:エッセイ準備」の比率で管理します。

■よくある失敗(日本の受験生に多い)
・出願直前に初受験→スコアが想定より伸びず、出すか迷って時間を消耗
・テスト対策に寄りすぎて、課外活動や推薦状の準備が後回し
・“任意だから不要”と決め打ちし、方針変更に対応できない

私たちのカレッジカウンセリングでは、まず「志望校リスト」と「出願年度」を基点に、テスト要件の確認→受験計画(何月に何回、どこまで伸ばすか)→他要素(GPA/AP/IB/課外活動/エッセイ)との配分を一枚の“出願戦略シート”にまとめます。テストは単体で頑張るより、全体設計の中で最適化したほうが結果につながります。

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